2017年10月6日金曜日

職人さんとめぐるデンサンの現場「高岡クラフツーリズモ」(高岡市)

9/23日(土)、高岡市で開催された「高岡クラフツーリズモ」に参加してきました。
「高岡クラフツーリズモ」は、高岡伝統産業青年会に所属する若手の職人さんが工房を案内してくださるというスペシャルなツアー。
高岡市は鋳物、銅器、漆器など工芸がさかんで、「ものづくりの町」ともいわれます。
そのものづくりの作業は分業制。塗師屋、螺鈿細工職人、彫り師…とそれぞれ専門で行っています。そのため、市内には何百社もの工房・製作所があり、中には人数の少ない小さな工房も多くあるそうです。

私が参加したのは、5つの工房をめぐるツアー。
まずは、鋳物の原型の木型製造を行う「嶋モデリング」へ。
原型師の嶋さんが案内くださいました。
木型と言いますが、用途に合わせて合成樹脂等も利用し、柔軟に対応しているそう。
木型は、何メートルもある大仏やショベルカーから、こんなにちいさな指輪の飾りのものまで作られています。
木型は手作業もあれば、3Dプリンターを使うことも。

様々な形や大きさの道具がずらり。
この道具は、木型に合わせて職人さんが手作りするそう。

2ヶ所目は、高岡漆器の螺鈿(らでん)細工の行程を行う「武蔵川工房」。
螺鈿には、あわびや夜光貝の内側から薄く削りだしたものを使います。大きな貝なのですがほんの少ししか取れない貴重なもの。
高岡では「青貝塗」という薄くけずりだしたものを様々な形にカットして、漆器に貼り付けていく方法を行っています。絵柄にあわせて着色することも。

螺鈿職人の武蔵川さんが実演。鮮やかな手さばきに見とれてしまいました。

漆と螺鈿の技術を現在の暮らしに活かしたいと考案された螺鈿ガラス。
「現代のライフスタイルにも取り入れやすいようなものを作りたい」とおっしゃっていました。

3ヶ所目は「漆器くにもと」。高岡漆器をはじめとする漆器を扱う問屋さんです。
高岡漆器だけでなく、高岡の工芸品の販売や全国のものづくりの方々とも交流し、各地の工芸品の展示・販売も行っています。
彫刻まめ皿。高岡で唯一の彫り師さんとのコラボレーション作品。
ご案内くださった國本さんは、「これからの数年の間でもなくなってしまう技がいくつもあると思う。しかし、全国を見ればまだまだ素晴らしいものづくりの技術があるので、全国の職人さんとつながり、新たなものをつくりたい。」とおっしゃっていました。

4ヶ所目は、仏具製造を行う「小島製作所」。真鍮製の机上香炉の製造を行っています。
真鍮を型に流し込みます。金属の独特のにおいと煙が一気に広がります。
この作業時には1000度以上にもなるそう。職人さん同士連携し、次々に流し込んでいきます。

出来上がった香炉を研磨。小島さんが実演してくださいました。
4代目のお父さまが急逝し、5代目となった小島さん。若い社員の方々と切磋琢磨し、製造を続けています。高岡伝統産業青年会のメンバーの方にも支えられているそう。

最後に訪れたのは、「モメンタムファクトリー・Orii
高岡銅器に伝統的な方法で着色を行います。
お歯黒やぬかを利用したり、熱を加えるなどの着色方法で独特の模様や色を引き出します。
着色職人の櫻野さんが実演。
「銅器に色々な色を着色するのは高岡の特長。科学反応で色を変えていきます。昔から伝わる方法を行っているので、なぜこの色に変わるのか分からないものもあるんです。」
伝統的な手法を活かし新たな発色技術も確立。「オリイブルー」と呼ばれる美しい青色がきれい。(写真:漆器くにもと店内に並ぶoriiの商品)

「高岡クラフツーリズモ」は、高岡のものづくりをもっと知って欲しいと10年ほど前から始まりました。若い職人さんたちのものづくりにかける熱い思いを感じることのできるツアー。高岡市に古くから伝わるデンサン(伝統産業)を多くの方に知ってもらいたい、感じてもらいたいという思いがひしひしと伝わってきました。
富山県に訪れた際には、ぜひ手にとって、職人さんの手仕事を感じてみてください。
(富山県定住コンシェルジュ大村)

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