2017年4月25日火曜日

湧水に生きる自然 杉沢の沢スギ(入善町)

入善町(にゅうぜんまち)の水田風景が広がる海岸近くに、突如現れる林があります。
ここは、「杉沢の沢スギ」と呼ばれる杉林。
この杉林は、全国名水100選に選定された黒部川扇状地湧水群に群生しています。
全国でも湧水地に生育する自然林は珍しいとして、昭和48年8月4日に国の天然記念物に指定され、保護されています。
かつては45haほどあったといわれる沢スギ林ですが、圃場整備事業で多くが伐採されました。現存するのは、県の自然環境保全地区に指定されている約2.7haとなっています。

林内には遊歩道が整備され、無料で散策することができます。
進んでいくと、温暖な地域で見られるような植物もあれば、山地で見られる植物も生息していることに気がつきます。
これは、林の中が湧水や地下水の影響で冬でも暖かいため、温暖な地域の植物が育つ一方、黒部川の氾濫で山から流されてきた山地の植物もここに根を張っているからだそう。
なんとも不思議な光景。

そして、なんといってもこの湧水の美しさが目を引きます。

さらによく見ると、杉も不思議な姿をしています。1つの杉の根元から、いくつも分枝が伸びて上に成長しているように見えます。
これは、「伏条更新(ふくじょうこうしん)」といい、根元から伸びた枝が這うように横に成長し、地面に触れたところに新しく根を張って1本の木のように成長する沢スギの性質なのです。
枝が横に伸びやすいのは、雪の重みで垂れ下がるからだそう。
こんな自然の姿を見ていると、植物もみんな生きているんだなぁとしみじみ感じてしまいます。

林の中で聞こえてくるのは、湧水の流れる音や鳥の声。
幻想的な自然の姿を観察しながら、思いっきり深呼吸してマイナスイオンをたっぷり吸収してみてはいかがですか。(富山県定住コンシェルジュ一条)

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